ニューヨークを拠点に活動するアリス・コルトレーンの愛弟子でありキーボード奏者で作曲家のスーリヤ・ボトファシーナによる2024年10月18日リリースのアルバム「Ashram Sun」をご紹介。
スーリヤ自身のこれまでの活動を内面的に振り返った集大成のような作品で、こんな濃いスピリチャルジャズを2020年代に新譜で聴くとは!?ってとてもビックリした音が詰まっている。
以前も紹介しているパーカッショニストでプロデューサーのカルロス・ニーニョによるプロデュースで、カリフォルニアのこの界隈のミュージシャン総出な感じもあり、スピリチャルジャズでありながら抜群のアンビエント感を醸し出しているのはその影響も多大にある。
アンビエントもスピリチャルジャズも大好きではあるけれど、このアルバムを通して聴くにはかなり肉体的にも精神的にもドッと疲れるというのも正直なところだったりするのだけれど、その位に心をエグられるパワーを持ったアルバムとも言える。
そんな中で好きなのはフルートとピアノの高音な掛け合いが心地良いM5「Chumash Pradesh Mandir Steps Reflection with Randal Fisher」と、一番ジャズらしく聴こえてしまう壮大なスピリチャルジャズのM10「Your Soul Is Perfect (Supreme Uniter) with Radha Botofasina」かな。
曲単位だとどうしても聴きやすいタイプの音を選んでしまう。
初聴きでこれは良い!って感じる人は少ない気もするけれど、たまにじっくり聴いてみるを繰り返すことによってジワジワ身に沁みて良さが分かってくる、そんなアルバムでございます。
つい先週もギタリストであるネイト・マーセローの作品を紹介しているが、彼もこのアルバムに参加していたりと、この界隈の音を聴くとつい耳が反応してしまうくらいに好きなんだなーと納得。
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