イギリスはロンドンを拠点に活動するキーボード奏者グレッグ・フォートと元整形外科医でサックス奏者という経歴のアート・テーメンによる2023年4月14日リリースの「Off-Piste」をご紹介。
今作は実験的なレコーディングがしたいと、2人で北のアテネと言われるスコットランドはエディンバラの有名なチャンバー・スタジオに籠もって制作された作品。
アルバムタイトルでM3に収録されている「Off-Piste」とは、整地されていない雪がただ積もっている状態の場所で、バックカントリースキーなんかでよく使われるスキー用語。
そんな未開の地的な「Off-Piste」から聴こえてくるかのような浮遊感たっぷりのスペーシーなサウンドの4曲と、お互いにヨーロッパを始め世界中の音楽のコレクターということで2つのカヴァー曲から構成される。
10分を超えるM1「Fresh Snow」のエレピとサックスのゆったりしつつもキラキラしたサウンドがとてつもなく心地良くてツボ。
M2「La Partida」はビクトル・ハラの名曲のカヴァーで、古典ともいえるフォルクローレなナンバーを原曲に忠実ながらフワッと仕上げているのもニクい。
M4「Yrsno」はスウェーデンのバイオリニスト、マッツ・エデンの楽曲で、アーバンでアヴァンギャルドなサウンドに仕上げてて、ブロウするサックスもイイ。
ラストの2曲、M5「Sis No Hyp」とM6「apres ski」はM1とM3に共通するフワフワでアンビエントな雰囲気もある感じでアルバムが終わっていくという流れにピッタリ。
結構なお気に入りの作品となりました。