
アルゼンチンはサンタフェを拠点に活動する5人組、Proyecto Mate(プロジェクト・マテ)の2026年8月リリースのシングル「La voz de cualquiera」をご紹介。
Proyecto Mateは以前から名前は知っていて、何曲か聴いたこともあったのだけれど、今回の新曲「La voz de cualquiera」がとても良く、改めてどんなグループなのか詳しく調べてみた。
2019年結成で、
- Mauro Bertotti(ヴォーカル)
- Agustín Casenove(ギター)
- Esteban Mannarino(ベース)
- Luciano Stizzoli(ピアノ)
- Nahuel Ramayo(ドラム、パーカッション)
によるグループ。
アルゼンチンのフォルクローレをベースにしつつ、ジャズや室内楽的なアプローチも感じられる、いわゆるネオ・フォルクローレなサウンド。
今回の「La voz de cualquiera」は、静かで美しいピアノやギターを軸に、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロによる弦楽四重奏が加わった、とても繊細な楽曲。
ストリングスが後ろで派手に盛り上げるという感じではなく、歌やピアノ、ギターとそれぞれがひとつのアンサンブルとして絡んでいく感じがとても心地良い。
で、今回あらためてProyecto Mateについて色々と調べていたら、大好きなSebastián Macchi(セバスティアン・マッキ)やCarlos Aguirre(カルロス・アギーレ)周辺の音楽家たちと、かなり近いところで活動しているグループだということが分かった。
特にドラマーのNahuel Ramayo(ナウエル・ラマヨ)は、2026年リリースの自身のアルバム「De Paisajes Y Colores」でSebastián Macchiと共演している。
この作品もラテンアメリカのポピュラー音楽をベースにジャズ的なアプローチを取り入れた作品で、Proyecto Mateを聴いていて妙に好きな音だと感じるのも納得。
Sebastián Macchiはこれまで何度も紹介している大好きなアーティストで、彼の2005年の作品「LUZ DE AGUA : POEMAS DE JUAN L ORTIZ」の透き通るようなサウンドに衝撃を受けたことが、自分がアルゼンチン音楽を好きになったきっかけのひとつでもある。
さらにProyecto Mateの2022年の1stアルバム「Primera molienda」にはCarlos Aguirreも参加。
Sebastián Macchi、Carlos Aguirre、さらに以前紹介したPancho RagoneseやBelén Herreraなど、この辺りのネオ・フォルクローレな音楽家たちは、それぞれの作品で共演したり制作に関わったりしながら緩やかにつながっていて、その延長線上にProyecto Mateもいるような感じ。
そして、この「La voz de cualquiera」、実は完全な新曲ではない。
Nahuel Ramayoが以前にリリースしたアルバム「Herencia」に同名曲が収録されていて、当時の録音にも現在Proyecto MateのメンバーであるAgustín CasenoveとEsteban Mannarinoが参加している。
今回のProyecto Mate版ではMauro Bertottiのヴォーカルになり、ピアノとドラムを含む現在のバンド編成にヴァイオリン2本、ヴィオラ、チェロの弦楽四重奏を加えて再構築されている。
以前からメンバーの間で共有されていた楽曲を、現在のProyecto Mateとして改めて形にした作品ということになる。
バンドのアレンジはAgustín Casenove、弦楽アレンジはÁgueda Garay、録音からミックス、マスタリング、全体のプロデュースはNahuel Ramayoが担当。
フォルクローレという言葉から想像する土着的な感じよりも、ジャズや現代的な室内楽のような美しさが強く、静かでありつつ細かな音の重なりがとにかく素晴らしい。
以前から存在は知っていたProyecto Mateだけれど、今回の新曲をきっかけに改めて詳しく調べてみて、Sebastián MacchiやCarlos Aguirreともつながる音楽的な背景まで見えてきたことで、これまで以上に興味深いグループになった。
Sebastián MacchiやCarlos Aguirre周辺のアルゼンチン音楽が好きな人には、ぜひ聴いてみて欲しい。
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