最近の音楽紹介はニューリリースもの中心だったのでたまには昔のものを。タイトルにも書いた通りにアントニオ・カルロス・ジョビン作曲、ヴィニシウス・ヂ・モライス作詞で、ジョアン・ジルベルトが歌う「Chega de Saudade」がレコーディングされたボサノヴァ誕生の年と言われる1958年。
それと並行するように制作されていたのが今回ご紹介する、ブラジルはミナス出身のピアニストで作曲家、サッカー解説やタレントとしても活躍していたアリ・バローソと、同じくブラジルはバイーア出身の歌手で作曲家のドリヴァル・カイミによる1958年のアルバム「Um Interpreta o Outro」。
とても美しいピアノを聴かせてくれるアリ・バローソと野太くも心地良い声でギターを弾きながらショーロを歌うドリヴァル・カイミの2人。アルバムとしてひとつの作品にはなっているものの、内容的にはそれぞれの作品がだいたい交互に並んでいる。
アリ・バローソの曲は小気味よいピアノが印象的なサンバ、ドリヴァル・カイミの曲はギターと歌のショーロ。全然タイプの違うサウンドが交互に聴こえてくるにも関わらす、全体を通して柔らかい雰囲気が漂っていてとても心地良い。
このアルバムにたどり着いたのは、最近興味のある南米のクラシックの作曲家を調べていた時に関連のまた関連みたいな感じで出てきたのが発端。音よりもまずはこのハイコントラストで良い意味での古さを感じさせるジャケットがとても好きな感じで一番目立っていたので迷わず再生した、と。
それぞれの名前は知っていたものの、しっかりと聴いたことは無かったので、再確認という面でも良かったし、サブスクで気軽に聴けるのは良いなーと感じつつも、ジャケいいからアナログ盤も欲しい。ただこの作品、CD含め盤では2in1みたいな仕様でしか復刻されてないようなので、ジャケ目当てだとオリジナル盤探さないといけないから難しいだろうなー。
ボッサ以前のイイ感じのブラジル音楽を聴いてみて下さいな。
Joao Gilberto - Chega De Saudade