広告 music

悲しみと喜びが溶け合う78分のDJミックス「DJ-Kicks: Sofia Kourtesis」

DJ-Kicks: Sofia Kourtesis

ペルー・リマ出身、ベルリン在住のDJ/プロデューサー、Sofia Kourtesis(ソフィア・クルテシス)によるドイツの名門!K7 RecordsからのDJ-Kicksシリーズとなる2026年3月27日リリースの「DJ-Kicks: Sofia Kourtesis」をご紹介。

DJ-Kicksは、!K7が1995年から続けるDJミックス・コンピレーション・シリーズで、DJ KozeやFour Tet、Peggy Gouなど錚々たる面々が歴代を彩ってきた。今回Sofiaがその系譜に加わった形。

Sofia Kourtesisとは

2023年のデビューアルバム『Madres』で一気にその名を広めた彼女は、ハウス、エレクトロポップ、メロディック・テクノを自在に行き来するスタイルが持ち味。

2025年にはDaphni(= Caribou)との共作「Unidos」を含むEP『Volver』を発表し、Berghain/Panorama BarやDekmantelといった世界屈指のクラブやフェスに出演してきた。

「Four Tet, Bonobo直系メランコリー・ハウス」と紹介されているのが、音楽性をイメージする手がかりになるかもしれない。

ただの選曲集ではない

本作は全21曲中11曲がこの作品のために書き下ろされた新録トラックで構成されている。

Sofia自身の新曲が4曲 ―「It's You」「Texas Changing」「A Brief Look In Your Eyes」、そしてアフロ・ペルーのグループNovalima との共作「Los Poemas No Siempre Riman」。

さらにJon Hopkins、Myd、Laurence Guy、Axel Boman、JOY (Anonymous) らがエクスクルーシブを提供。

既存曲のセレクトにはAphex Twin「Flim」、Avalon Emerson、Logic1000、Octo Octaなどが並ぶ。

そしてラストを締めくくるのが、Four Tet(Kieran Hebden)による「△▃△▓」名義のトラック。

曲名もUnicode記号の羅列という、最後まで一筋縄ではいかない構成になっている。

母の喪失、そして音楽が「力」に変わるまで

この作品の背景には、母親を亡くすという深い喪失がある。

ペルーに戻ったSofiaは、音楽がノイズではなく「力」として自分のなかに戻ってくる感覚を得たという。

Sofia本人もDJ Kozeが手がけたDJ-Kicksに強い影響を受けてきたと語っており、このシリーズへの参加は一つの到達点でもあったはず。

聴いてみて

冒頭M1のJon Hopkinsの静謐な立ち上がりから、M2のAphex Twin「Flim」の繊細さへと続く、この部分だけでも好きなラインというのが良く分かる。

中盤のアグレッシブなサウンドから終盤の高揚、ラストのFour Tetな△▃△▓で締まる感じも何とも言えない。

と、全体の雰囲気を色々と書いてきたが、本作はノンストップミックスなハウス作品として、作業中のBGMにしても良い意味で邪魔にならない心地良さもある。

合間にふと耳を傾けると、しっかりとイイ感じの楽曲が鳴っていることに気付く。

ながら聴きでも、腰を据えてじっくり聴いても、どちらでも楽しめる作品になっている。

-music
-, , ,