ドイツはベルリンの音響メーカーNeumannから、開放型スタジオリファレンスヘッドホンNDH 30を、2022年7月28日(木)より発売するということでご紹介。
NDH 30は、好評を得ている密閉型スタジオリファレンスヘッドホンNDH 20をさらにブラッシュアップし、スタジオの定番となりつつあるMA 1とAutomatic Monitor Alignmentで調整されたKHモニタースピーカーをヘッドホンで再現することを目的に製作されました。
すでに高いパフォーマンスであったNDH 20を超える、他の追随を許さないNEUMANN品質のプロフェッショナル・モニタリングヘッドホンが誕生しました。
低音域のレスポンスとリニアリティを向上させた新開発のドライバー
NDH 30はネオジム磁石を用いた38mmのダイナミック型ドライバーを採用。これはNDH 20と同じドライバーに見えますが、実際はNDH 20と異なる新開発のドライバーが採用されています。
NDH 20はゼンハイザーの特許技術を含むDoufol(デュオフォール)膜を用いたドライバーが採用されており、インパルス応答を良くする硬いフォイルと、部分的な共振を減衰させる柔らかいフォイルの2枚の箔を積層して使用しました。
NDH 30に採用された新開発の膜はNDH 20のDoufol(デュオフォール)膜が2枚の膜で生み出していた特長を1枚の膜で実現。共振周波数を低くしたことで低音域のレスポンスとリニアリティを向上させることに成功し、剛性と部分共振の減衰により過渡応答を向上させました。
NDH 30に採用された新ドライバーによって、KHモニタースピーカーのような高い解像度と鋭い定位感を実現しました。
さらなる低歪率の追求とクロストークの低減による高精度なステレオイメージ
ドライバー以外の部分も様々な箇所がブラッシュアップされています。特に歪率についてはNDH 20がすでに0.1%以下という高いパフォーマンスを誇っていましたが、NDH 30はさらに高い0.03%以下という数値を達成しています。
また、KHモニタースピーカーの特徴でもある高精度なステレオイメージを実現するために、NDH 30専用のケーブルを新規設計。通常のケーブルと異なり、左右チャンネルのグランドが分離された専用ケーブルを採用したことで、チャンネル間の共通グランド導体の抵抗による電圧降下で生じるクロストークを大幅に低減しました。
これらNDH 30のために用意された仕様により、高いパフォーマンスを誇るNDH 20をさらに上回るパフォーマンスを達成し、高精度なモニタリングサウンドを実現しました。
剛性感を維持しつつも軽量化、長時間のスタジオワークでも快適な装着性
壊れにくい鉄製のヘッドバンド、タフな鉄製のイヤーカップなどはNDH 20を踏襲し、長年のハードなスタジオワークにも耐えうる仕上がりです。高い剛性、高級感のある仕上がりは維持しつつも、NDH 20から約10%の軽量化を実現。イヤーパッドも耳あたりの良い素材を採用し、開放型という構造も相まって、大型ヘッドホンながらも長時間の装着が苦になりません。
NDH 30はスピーカーの利点である快適性をも追求し、まさにKHモニタースピーカーで聞いているようなヘッドホンモニタリングを実現しました。
製品の特長
- 卓越したリニアリティと過渡応答
- 高い空間分解能
- KHモニタースピーカーとの音質・ミックス互換性
- 長期にわたる高い快適性
- 内部バランス調整済み、布製カバーケーブル(着脱式)
- 持ち運びに便利な折りたたみ式
製品仕様
製品名 | NDH 30 |
形式 | 開放型 |
トランスデューサー | ネオジム磁石 38mm ダイナミック型ドライバー |
インピーダンス | 120Ω |
周波数特性 | 12Hz - 34kHz (-3dB) |
最大許容入力 | 1000mW |
許容入力 | 200mW |
音圧 | 104dB SPL (1kHz, 1Vrms) |
歪率 (1kHz, 100dB SPL) |
< 0.03% |
コネクター | 3.5mm (6.3mm 変換アダプター付属) |
重量 | 約352g (ケーブルを除く) |
保証期間 | 2年 |
価格 | オープン ※参考価格 99,000円(税込) |
マイクならノイマン!が作った高級リファレンスヘッドホン
ノイマンの開放型なスタジオリファレンスヘッドホンである「NEUMANN NDH 30」。
ノイマンといえば、マイクメーカーじゃん!って言われるくらいにレコーディングスタジオ界隈では大定番なマイクの印象が強く、そこのヘッドホン!?って詳しい人でも思ってしまうかも知れない。
それもそのはずで、「NEUMANN NDH 30」のひとつ下のラインになる「NDH 20」がノイマン初のヘッドホンで2019年に出たばかり。ヘッドホンメーカーとしてはまだまだスタートしたばかりではあるけれど、マイクをはじめ音響メーカーならではのノウハウで評価が高く、価格もなかなか。
外観的な好みはあると思うけれど、リファレンスヘッドホンってことで、音の忠実な再現性にこだわるなら選択肢の一つとして候補にあげるのもアリかな。