L.A.を拠点に活動するThe Randy Paserntes Trioという全然知らなかったトリオが、コラボメインで活動する作曲家でアレンジャー、プレーヤーでもあるゲイブ・ノエルに、このブログでも何度か紹介している奇才サム・ゲンデルと共に制作した2022年11月11日リリースの6曲入りEP「Now At Last」をご紹介。
全部カヴァー曲
収録されている6曲が全てカヴァー曲で、現在ではスタンダードともいえる往年の名曲から、「この曲をこんなアレンジにするの?」とビックリするような楽曲まで、どの曲も心地良くほっこりするような甘くジャジーでありつつポップなサウンドを聴かせてくれる。
どんな楽曲なのか簡単に説明して行きましょう。
M1の「Now At Last」は古くはディック・ヘイムズだったりブロッサム・ディアリーが歌ってて、最近だとファイストなんかもカヴァーしてるゆったりと切ないナンバー。
M2「My Best Girl」はロバート・グーレによって歌われたミュージカル「Mame」の劇中曲。今回のカヴァーでは以前も紹介したことのある大好きな女性シンガーであるイナラ・ジョージが歌っております。
M3「Put your Head On my shoulder」は邦題「あなたの肩に頬うめて」というポール・アンカが歌う人気曲で、日本ではチークタイムナンバーとしても有名。
M4「Autumn Serenade」は大好きなジョニー・ハートマンとジョン・コルトレーンの共作アルバムから。
M5「Waterfalls」、これが一番ビックリしたTLCのアンセムなナンバー。HIPHOPな名曲がとても静かでありつつ打ち込みのリズムによって不思議なアンビエント感を漂わせる素敵なアレンジに。
追記:
ご指摘頂いてすっかり頭から抜け落ちてましたが、「Waterfalls」はポール・マッカトニーによる1980年の楽曲が原曲ですね。
TLCのヴァージョンが好き過ぎて、確か原曲あるはずだけどと思いつつもTLCナンバーを元として比較してましたが、ポールのヴァージョンと比べると忠実なアレンジをベースにアンビエントっぽく浮遊感ある雰囲気になってますな。
いやー、アホでした。
ラストM6「The Moon Is A Harsh Mistress」は邦題「月は無慈悲な夜の女王」でロバート・A・ハインラインのSF小説から名付けられたジミー・ウェッブ作の楽曲。ジョー・コッカーの歌で最初にレコーディングされ、その後数々のアーティストによってカヴァーもされている。
「Waterfalls」以外は基本、原曲に忠実で懐かしさもありつつ細かいアレンジに今風なスパイスを効かせたとても聴きやすいサウンドに仕上がっていて、原曲から考えると想像もつかない程度にアレンジされた「Waterfalls」が結果的にこの流れの中に上手く混ぜ込んであるといった作品であります。
とっても好きな感じでのんびりと耳を傾けていたい。
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