カナダはトロントを拠点に活動するドラマーでプロヂューサー、セラピストでもあるMoshe Fisher-Rozenberg(モーシエ・フィッシャー-ローゼンベルグ)のユニットであるMemory Pearl(メモリー・パール)の2025年1月31日リリースのアルバム「Cosmic-Astral」をご紹介。
今作は、モーシエのミュージシャン、アーティストとしてだけではなくセラピストであるという部分が重要というか肝になっていて、音楽療法作品になっている。
1970年代に心理療法士が幻覚剤LSDと組み合わせて使用した「音楽プログラム」を再構築し、彼なりのアプローチで自分用のプログラムを作り上げたという感じ。
音楽療法の修士号を取得しているだけあって、こういった研究も本格的に行っているようで、なんともスペーシーでアンビエントなサウンドにロック的要素も加わっていたりしてサウンドトラックという表現が一番しっくり来る。
とりあえず、イヤホンでアルバムをひと通り聴いてみたんだが、基本的にはアンビエントな雰囲気が漂いつつも、音楽療法としてはわりと激しい音やリズムがあったりして精神的に刺さる感じはないかな。
好きなのはラストの「Postlude」。一番静かでミニマルなアンビエント。こういう感じがずっと続いてくれた方が個人的には落ち着くので音楽療法になりそう。
さて、なんで、こういう実験的な音のアルバムを知ったのか?
大好きなサム・プレコップが参加しているから。
好きだと言ったラストの「Postlude」はシンセのサウンド的にもサム・プレコップって分かる感じでとても良い。
ともかく、音としてちょいと不思議で面白い作品ではあるので、聴いてみて欲しい。
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